「じゃあ彩夏は奴隷決定だな」


奴隷…。


聞くだけでゾッとする。


きっと義兄にされたみたいなこともされるんだ…。


「聖輝…」


交渉を成立させてほしい。


お願いだから。


奴隷だけは…。


懇願する視線を聖輝に投げ掛けると、聖輝は困惑したように目を反らした。


「…ちっ。そっちの条件飲んでやる代わりに俺を縛るな。自由にさせろ」


聖輝が交渉に応じてくれた…。


よかった……。


「じゃあ交渉成立だ」


こうして輝嵐はできあがった。


こんな風にできあがった族だけど、しばらく経ったら絆も生まれ、皆もうすっかり仲間だった。


私も、本当の姫として楽しく過ごしていた。


皆、意外と優しくて、こんなに人生が楽しいと感じたのは初めてだった。


この幸せはずっと続くと信じていた。


信じていたのに…。