その後しばらく3人と話してたら外からバイクの爆音がした。


そうかと思えばシャッターが蹴破られ、殺気だった聖輝が姿を現した。


その姿を確認した景はナイフを私の方へ向け、立ち上がった。


「変な真似してみろ。刺すぞ」


「それはこっちのセリフだから。ちょっとでも彩夏に危害加えてみろ。ぶっ殺す」


聖輝がそう言い、近くにあった空き缶を蹴り飛ばす。


「交渉の内容を言え」


「輝嵐に入れ。入らなかったら彩夏は事実上の姫として、そーゆー扱いをするだけだ」


〝そーゆー扱い〟って言うのはどういう意味なのか。


はっきりは分からなかったけど、優遇とはかけ離れてる意味なんだろうってことは分かった。


「族には興味ねぇんだよ。群れないと何もできねー集団なんかゴメンだ」


一触即発のピリピリした空気が倉庫に充満する。


景の顔からは余裕そうな笑みがすっかり消え去っていた。