「もしもーし」   


『誰だてめぇ』


景が電話をスピーカーモードにしたから、イラついた聖輝の声が倉庫に響き渡った。


「─輝嵐。立花彩夏なら無理やり姫にしたから」


聖輝の反応が怖い…。


〝あっそ〟で終わらされたらどうしよう…。


『俺にどうしてほしいわけ』


どう受け止めればいいのか分からない反応。


「姫ってのは決定事項だからそれは代えれないけど、ここで交渉だ」


『………』


わざと相手を苛立たせるような景の言い回しに、聖輝がムッとしてるのはよく分かった。


「輝嵐に入ってく─」


『お前、彩夏に手ぇ出してねぇだろうな。彩夏の無事が確認できるまで交渉はお預けだ』


聖輝…。


『彩夏がいる場所を教えろ。そんとき彩夏に傷1つでもついてたらタダじゃおかねぇから』