奴隷のように扱われると思ってたけど、そんなことないのかもしれない。

 
「さーて。さっそく朝香を誘き出すか」


唯が勝手に私の鞄を漁ってスマホを取り出した。


別に見られて困るものなんてないし、パスワードだって設定してない。


「連絡先登録してんの朝香と杏華って女だけ?寂しー」


…余計なお世話…。


友だちなんていないんだから仕方ないじゃん。


私は集団行動が嫌いで友だちを作ったことがない。


それに、必要としたことがない。


それは聖輝も同じで、群れるタイプじゃなかった。


だから今回のこの話に乗ってこない気がするんだ。


私のことなんかどうでもいいって言って…。