◆◇◆
 
連れられてきたのは薄暗い倉庫。


「言い忘れてたけど、姫をやめるって選択肢はもうないから。朝香聖輝が来ようと来まいと」


倉庫の隅のソファに私を座らせ、男が言った。


もう逃げられないってことか…。


もともと大した希望なんてなかった人生。 


別にどうなったっていい。


聖輝が愛してくれさえしていれば…。


「俺は中原景。こいつが杉浦凛空。こっちが小野寺唯」
  

刃物で私をオドシタのが中原景。


助手席に乗ってたのが杉浦凛空。


運転していたのが小野寺唯。


「仲間っつーことで、普通に呼び捨てでいーから」


…呼び捨てでいいんだ。