あの日のキミが好き~True Love~

やっぱり、コウちゃんは家が嫌いみたい。


「……じゃあとってくる」


「おばあちゃんが行こうか?」


立ち上がった典子さんをコウちゃんは慌てて止めた。


「いーよ。どうせアイツらも花火行ってんだから」


おばあちゃん想いなんだなぁ…コウちゃんは。


足腰が弱ってる人をなるべく歩かせないように…って。


「なら、鍵。気をつけて行っておいで」


典子さんがコウちゃんに鍵を預け、コウちゃんは家を出ていった。


「アイツらって誰のこと?」


コウちゃんのことを知りたい。


私、コウちゃんと一緒にいるけどコウちゃんのこと何も知らない。


「家族じゃよ。コウちゃんは家族とうまくいってないからなぁ」