「……ありがとな」 


ボソッと聞こえた聖輝の声。


どこか遠い目をしてる。


過去のことを思い出してるのかな…。


これ以上苦しまないでほしい。


きっと聖輝はもう充分苦しんだ。


それなのにまだ苦しましなきゃいけないなんて、不公平だ…。

 
真っ当に生きる資格がないとか、死んでもいいとか、そんなこと言わせる神様はひどい…。


「さっきの願い事の話だけど」


少しの沈黙の後、聖輝が切り出した。


「あぁ。聖輝のお願い、何?」


1人で外に出るのがまだ怖いからできることは限られてるけど…。