「じゃあ何で飛び降りなかった」


掴まれた腕にさらに力が入り痛む。


「今から飛び降り─」


「本気で死にたいヤツはなぁ。死を選ぶのに10秒も必要ねぇんだよ」


凄まじい形相で睨み付けられ、体が縮こまる。


義兄が逃げようとする私を掴まえたときよよう……。


怖い─。


この人が怖い。


義兄に似てる…っ!!


「死なないからお願い離して!!触らないで!!」


私に触れないで…っ!


怖い。


怖い。
 

怖い。


全身がガクガク震える。


「……大丈夫か…?」