「最低……」


やっぱりこの世界は汚れてる…。


平気で他人を傷つけるようなことを言い、嘲笑う。


ホント…最低…。


「どうせ死ぬんだから関係ねーと思うけど?」


何この男……。


人間としてどうかしてる…。


義兄と同じだ。


狂ってる。


「早くその柵の向こうに立てよ」


何……この人。


おかしいよ。


おかしい…。


「人をもてあそんで何が楽しいの!?私に関わらないでよ!!バッカみたい!!狂ってるよ!」


半ば意地になって柵の向こう側に立つ。


ヒュゥ…と冷たい風が肌を撫でた。