「待ってたよ、美夜」


クラッカーを手に持った優菜が私に近づいてきた。


クラスメート全員がすでに教室に集まってる。


私のために、遅刻常習犯の男子もわざわざ早く起きてくれたんだ。


「来るの遅いよっ。ずっと待ってたんだから」


海花…。


「皆…ありがとね……」


私なんかのためにこんな手の込んだことしてくれて…。


こんな素敵なクラスメートがいたのに私はコウちゃんに囚われてたんだね。


もっと早く学校に来てればよかったな。


「ホント、ありがとう。それと…心配かけてごめん」


教壇に立ち、頭を下げる。


本当に申し訳ない。


だけど、すごく嬉しい。


「謝んないでよ。その代わり、明日からも学校おいで?」


優菜……。


「ありがとう…」


本当にありがとう…。