果てしなく長く感じた道のりを歩き、ようやく学校にたどり着いた。
もうこの学校で、コウちゃんとすれ違うかもしれないとドキドキ胸を踊らせることはないんだ。
グラウンドを見下ろしてコウちゃんが体育をしてる様子を見ることだってできない。
やっぱり来るんじゃなかった。
今日だけ。
今日で終わりにしよう。
─ガラガラ…
ゆっくり教室の扉を開ける。
─パンパンパンッ
その瞬間、破裂音が鳴り響き、紙吹雪や紙テープが散る。
「へ…?」
咄嗟のことに何が起きたのか理解できなかった。
だけど、黒板を見てすべてを理解できた。
〝美夜おかえり!〟
カラフルなチョークでそう描かれていた。



