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「入るよ美夜」
時が止まったまま9月が終わろうとしている。
最近、ほぼ毎日優菜と海花が家に来てくれる。
私はいわゆる〝不登校〟になっていた。
学校に行くのも嫌。
何をするのも嫌。
コウちゃんのいないこの村にいることは、耐え難い苦痛だった。
「いい加減学校おいでよ?」
布団にうつ伏せに寝ころがってる私に、二人はちゃんと話しかけてくれる。
「皆美夜のこと待ってるよ?美夜がいないと私たちだって楽しくないよ…」
…二人が心配してくれてるのは分かってる。
学校行かなきゃってことも分かってる。
「明日学校おいでよ。ね?」
行きたくないっていうよりも、行く気力がない。
コウちゃんがいない世界がこんなにツラいなんて思ってもなかった。



