◆◇◆

「美夜~…」


襖の外から毎日のように聞こえてくるお母さんの声。


コウちゃんがいなくなって1ヶ月が経った。


私の時の流れは1ヶ月前で止まったままなのに、世界は絶えず流れてゆく。


「今日から学校よ…?行かないの…?」


コウちゃんという大切な人が消えたのに、世界は何一つ変わらない。


いつも通り太陽は東から昇り、西へ沈んでいく。


いつも通り川は海へめがけて流れていく。


あの日のまま止まっているのは私だけ…。


何をする気にもなれなくて、宿題だって手をつけてない。


コウちゃんに手伝ってもらう気満々だった自由研究なんて、テーマすら決めてない。