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「美夜~…」
襖の外から毎日のように聞こえてくるお母さんの声。
コウちゃんがいなくなって1ヶ月が経った。
私の時の流れは1ヶ月前で止まったままなのに、世界は絶えず流れてゆく。
「今日から学校よ…?行かないの…?」
コウちゃんという大切な人が消えたのに、世界は何一つ変わらない。
いつも通り太陽は東から昇り、西へ沈んでいく。
いつも通り川は海へめがけて流れていく。
あの日のまま止まっているのは私だけ…。
何をする気にもなれなくて、宿題だって手をつけてない。
コウちゃんに手伝ってもらう気満々だった自由研究なんて、テーマすら決めてない。



