「…行方不明なの」


やっぱりそうなんだ…。


「家出…でしょ……?」


ただの家出。


そうでしょ?


2、3日すれば戻ってくる。
  

そうだよね……?


「村中どこ探してもいなかったわ。…遅くなっちゃったけど、お昼ご飯にしましょうか」


なんで…こんなに淡々としてるの…?


…淡々としてるってことは、たいしたことじゃないってこと…?


分かんない……。


「分かんないよ…っ」


気づけば私はお母さんを突き飛ばして家を飛び出していた。


「美夜……!!」


お母さんの叫び声が聞こえたけど、それが近づいてくることはなかった。