ガラガラッ   


玄関の扉が開く音にこんなに敏感に反応したのは初めてだった。


「お母さん!!」


玄関に飛び出した私の視界に入ったのは、いつもと変わらないお母さんだった。


「美夜…」


だけど、その声は明らかに違った。


私をどう扱ったらいいのか迷ってるような声。


やっぱりコウちゃんの何か……。


「…コウちゃんは……?事故…なの?」


事故以外に何も思い付かなかった。


いや。


思い付いたし、それが99%答えだろうって思うものは他にあった。


だけど、口に出すのが怖かった。


認めたくなかった。


自分の無力さを。


居場所になると約束したのに、なれなかった自分を。