「…あれ?」


居間に、コウちゃんの姿はなかった。


目立つあの金髪はどこにもいなかった。


そんなに広い居間じゃない。


隠れる場所なんかないし、第一コウちゃんは隠れるような低レベルなことはしない。


それに、典子さんもお母さんもいない。


お昼頃に私が起きたときは、台所で一緒にお昼ご飯の準備してるのに。


「…どこ……?」


昨日の胸騒ぎ。


会えなくなるような予感。


ドクン…ドクン……と心臓が不吉な音を刻む。


きっと何かの偶然でお母さんも典子さんもいないだけ。


コウちゃんはひょっこりあとで現れる。


だって約束したもん…。 


「約束…」


したから……。