「美夜もたぶん妹とか弟とかできたら分かると思う。この感覚」


私は一人っ子だから分かんないのかな…。


少しはコウちゃんの気持ちを分かち合いたいのにな。


「てか、美夜は俺のこと気にしすぎ。俺は大丈夫だから。心配すんな。な?」


なんとなく、胸騒ぎがした。


なんとなく、胸がザワザワしていて。


なんとなく、コウちゃんと今離れたらいけない気がした。


なんでだろうね。


「じゃあ帰る。また明日な」


〝また明日〟


このとき、なぜだか〝明日〟が来ない気がした。


「美夜?」
 

おかしいよね。


約束したばかりなのに。


ずっと一緒にいるって。


「また…明日…」   


「なんでそんな暗い顔してんだよ」


言葉では言えないこの不安。


バカにされそうだから絶対言わないけどね…。


「なんでもないよ。バイバイ」 


また明日会えるもん。


何心配してんだろ。


「あぁ。じゃーな」


コウちゃんの後ろ姿がどんどん小さくなっていく。


そして、闇へと消えてしまった。