「最後の花火…しよっか」


芝生の上にしゃがんで、線香花火に火を灯す。 


「線香花火が最後まで落ちなかったら願いが叶うんだって」


コウちゃんはそんな都市伝説信じないか…。


そんなことで願いが叶うなら…って感じだもんね…。


「美夜は願いたいことあんの?」


パチパチ…と静かに燃える花火。


私はこの花火に永遠を願うよ。


「二人でずっと一緒にいれますように…かな」
 

この幸せが永遠のものでありますように。


「んなの願わなくたってずっと一緒にいれるよ」


!!


コウちゃん…。


「じゃあ約束だねっ!」


嬉しくて立ち上がったら、その勢いで花火は落ちてしまった。


だけど私は花火の力は必要ない。


「あぁ。約束な」


二人の約束が増えた。


コウちゃんの居場所は私で、ずっと一緒にいる。


絶対破らない大切な約束だ。