「じょーだん。美夜が思ってるほど俺ヤワじゃないから。んなことで今さら傷つかねーよ」


コウちゃんはそう笑って花火に火を点けた。


「二人ともー!写真撮るわよ~」


明るい口調でデジカメを構えるお母さんと、その横で微笑む典子さん。


そして、縁側に座って私たちを温かく見守ってくれてるおじいちゃん。


「撮って撮ってーっ」


コウちゃんと並んで空いてる手でピース。


カシャッとシャッター音が鳴った瞬間、私の花火は消えた。


「あー、消えちゃった」


新しい花火に着火。


「コウちゃん見てー、超綺麗!」


両手に1本ずつ持って振り回すと、光の跡みたいに花火の筋が見えた。


「だな」


あんまりよくコウちゃんの表情は見えないけど、楽しんでくれてる気がする。


「来年も花火しようね!」


「来年じゃなくても、夏休み長いし今年もまだできるだろ」


コウちゃんも花火楽しんでくれてる証拠だよね!


よかったぁ。


「絶対だからね??」


「はいはい」