コウちゃんを揺さぶって懸命に話しかける。


いつか届くと信じて。


だけど、甘かった。


「お前に何が分かんだよ!!」


大声で怒鳴られ、突き飛ばされてしまった。


とっさに唯が、テーブルの角に頭をぶつけないようにガードしてくれたから怪我はしなくてすんだけど…コウちゃんが怒りを露骨に顕すなんて…。


私、そんなに神経逆なでること言った……?


「何が〝楽しかったあの頃に戻ろう〟だよ!俺の何を知ってそんなことが言えるんだよ!!」


……っ!!


「楽しかったのはお前だけだろ!?俺のツラさを一緒に背負う?テキトーなこと言うのも大概にしろよ!」


クッキーのように粉々だった私の心がさらに踏みにじられていく。


一言一言が胸に深く突き刺さって痛い…。


苦しい…っ。


「頼むから俺の前から消えろよ!!」


冷たく〝消えろ〟と罵られる方が何十倍もマシだった。


私はコウちゃんにとってそれほどまでに邪魔な存在なんだ。


心の底から消えてほしいと願うほどに…。


私…何してたんだろ。


コウちゃんに迷惑かけてただけだね…。


「……ごめんね…っ。ごめんねコウちゃん…」


零れる涙を拭いながら、俯き部屋を出るしかなかった。


「う…ぅ…あぁ…っぁ…」


静かな倉庫に私の嗚咽だけが虚しく響いた。