あの日のキミが好き~True Love~

助けて!と心で叫びなざら手を伸ばす。


グイッと引っ張られる感覚があり、目を開けると彼が引っ張って水面まで引き上げてくれた。


「ぷはぁっ」


おかげさまで息ができるところまで浮かんでこれた。


「深いから気をつけろよって言う前に飛び込むからこうなるんだよ」


「ごめんね。助けてくれてありがと」


彼は返事をせずに仰向けに浮かんだ。


私もそれを真似する。


ゆらゆら波のリズムに揺られ、青空をただ眺める。


ド田舎だからこそできることだよね。


東京ではこんなことできない。


どこもかしこも人だらけで、皆せわしなくて、空を見上げる時間なんてない。