あの日のキミが好き~True Love~

彼はゴツゴツ尖った岩場を物ともせず、タンっタンっと降りていく。


私も真似してみようとしたけど、怖くてできない。


「ったく。手出して」


下まで降りきった彼が戻ってきてくれて手を差しのべてくれた。


彼に支えられてなんとか岩場を脱出。


灰色の岩場に囲まれたこの場所は唯一の開けた場所みたいだ。


降りてきた岩場を振り返ると、思ったより高くて圧迫感がある。


「服着たままだけど入っちゃえっ!」


靴を脱ぎ捨てて、海に飛び込む。


ぶくぶく…と沈む沈む。


想像以上に深い─。


「んーっ!」


溺れる…っ!