私、まだ頑張れる。


コウちゃんにどれだけ冷たくされても…。


まだ頑張れるよ。


コウちゃんが好きだから。


好きだから頑張れる…。


「ならいいけど。俺、だいぶ後悔したんだよ。あのあと。絶対美夜のこと傷つけたよなーとか、言い過ぎたなーとか」


1枚の壁を挟んだ隣の部屋で晴流はそんなことを思ってたんだ。


どこまでも優しい晴流らしいな。


「ホント気にしなくていいよ?むしろ感謝してる」


晴流があぁやって言ってくれなかったら私はコウちゃんのことを諦めていたかもしれない。


「ならよかった」


心地のよい沈黙が少しだけ流れたあと、晴流が口を開いた。