あの日のキミが好き~True Love~

水が流れる音とセミの鳴き声だけが時を刻んでいく。


「こんなド田舎に引っ越してくるって可哀想だな」


不思議な間で話す人だなぁ…。


彼の周りだけ独特の空気が流れてる気がする。


「ホント、ここ何にもないね。皆、普段どうしてるの?」


また自然の音だけが流れてゆく。


そして彼が口を開く。


「夏は海で泳いだりする。……俺は」


海もあるんだ、この村。


「私も行きたい!」


泳ぐの大好きなんだよね。


「立ち入り禁止」


「え?」


立ち入り禁止なの?


「この村の人にとって、海は神聖な場所なんだって。だから立ち入り禁止」