「聖輝はさぁ」


ガンッと手すりに身を乗り出して景は続けた。


威圧的で恐ろしい声で。


「俺ら側の人間だから」


「………」


何も言えない。


言い返したくても言い返せない。


景が正しいような気がして。


悔しい。


何も言い返せない自分が悔しい。


「分かったらお引き取りくださーい」


「……っ。…私は…元のコウちゃんを取り戻したい。邪魔させない……」


苦し紛れに言い放った言葉は、景に届くはずもなかった。


ニヤニヤしてる景に背を向け、倉庫から逃げるしかなかった。


悔しくてしかたないのに、何も言えない、何もできない。


……自分のしてることに自信がないから…。