「うぜぇ。消えろ」


私に背を向け、去ろうとするコウちゃんの手をめげずに掴む。



「コウちゃんっ!私、元のコウちゃんに戻ってほしいんだよ……っ。私が大好きな優しいコウちゃんにっ!」


やっとぶつけられた私の想い。


冷たい視線が私に突き刺さった。


「あの動画何だよ」


「え……?」


思わぬ言葉に戸惑う。


気に止めてないのかと思ってた。


「やってること他の女と変わりねぇじゃん。そのくせ元の俺がどうのこうの?てめぇ頭おかしいんじゃねぇの?」


「コウ─」


「お前はやっぱりあぁいう奴じゃないかもしれないって思った時もあった。見損なった。二度と俺に近づくな」


鋭い眼光で睨み付けられ、去っていくコウちゃんを追うことさえできなかった。