「……分かる…けど…」


俯き、ボソボソ答える。


「分かってねーだろ。分かってねーからそういうことが言えんだよ」


こんなに怒ってる晴流を観るのは初めてだった。


言い換えれば、普段温厚な晴流を私は怒らせてしまったということ。


「立花彩夏がどんな傷を負わされたか分かるか?一生、死ぬまでその身体で生きていくしかねーんだよ。分かってんのかよ」


……っ。


「…晴流は私が立花さんを襲わせたことに怒ってるの?何に怒ってるの?」


責められて自尊心が傷つき、口調が荒くなる。


「お前に怒ってんだよ。その考え方に」


〝お前〟


晴流の口からその言葉が出たことは今までなかった。