コウちゃんに駆け寄りたかった。


だけど勇気が出なくて、立ち尽くすことしかできなかった。


そのうちにコウちゃんたちは近づいてくる。


「コウちゃんっ」


勇気を振り絞ってコウちゃんに声をかける。


心臓がうるさいくらい暴れてる。


「超カワイイじゃん。んじゃ、俺ら先行っとくわ」


輝嵐の人たちじゃない人だった。


私をコウちゃんと二人きりにしないで…。


「何か用?」


夏の暑さなんか吹き飛ぶほど冷たい口調に冷たい視線。


「あ…あのさ……っ」


コウちゃんが会話に応じてくれるとは思ってなかったから、言葉につまる。


緊張して話題が見つからない。