「……話に、移っても、よろしい、でしょうか?」

単語ごとに一拍を置くという独特の喋り方で言葉を紡ぎ、細い方こと桧山はノートパソコンを取り出した。


VRプログラムを立ち上げ、晴香と浅木のIPCと連動させる。
それに合わせ、香椎と桧山はサングラス型のVRコンソールをかけた。

……このゴリラ、コンソールつけたらヤクザにしか見えないよなぁ、と晴香は思った。


「……昨日、KOGANE.Coの、成人向けレンタルVRスペース内で、起きた、事件ですが」

目の前に、事件が起きたスペース内のスクリーンショットが映し出される。


「被害者達は、スペース内で、つ…美人局を、やっていました。」

「そんで、カモに逆にボコられた……言っちゃ悪いが、自業自得だ。」
香椎が捕捉を入れた。