とりあえず、周りは清々しいほど見て見ぬふりだった。
あー、あるよねこんなシーンはー。
…とまあ、されてる本人も妙に納得してしまったが、不愉快なむず痒さをこのままに放置するわけにもいくまい…と早速行動を開始した。

釣り輪を持つ方とは反対の手を方に掛けてるビジネスバッグに突っ込み、中に入れてたケータイを弄る。
その間にも、痴漢の手はサワサワと尻を撫で上げ、徐々に股の方に指が近付いている。

晴香は至極平静を装い、ディスプレイをチラリと見やり、お目当ての機能を確認後に決定ボタンを押す。