ピンポーンピンポーンと、苛立ったようにドアベルが鳴り続ける。


「カ、カワチー!いるか! おい、返事ぐらいしろ!」

ドアフォンのハンズフリー受話器を通じて聞こえた声は、警官のものではない。

あの時の仲間の1人……オキの声だった。


突然の来訪に慌てた河内は、ドアまで駆け寄りドアフォンについたディスプレイを確認する。

其処には、間違いなく小柄で禿頭のオキの姿があった。
無論、周りには警官の姿も見当たらず、周囲には誰もいなかった。


「おい、何でお前がここにいるんだ!サツ連れてきたのか!」

「違ぇよ! と、とにかく早く出て来い。逃げるぞ!」

「はぁ?!」


河内にはいまいち状況が理解できない。