何度か警察に世話になったこともあった。

だが、彼は都内でも有名な工務店のボンボンで、跡取り息子だ。
金の羽振りも良いし、取り巻きも多い。
なので、金や腕にモノを言わせて自らの不始末を揉消したことも度々ある。


気に入らないことがあれば女子供構わずに手を出す。
その癖、親の権力を濫用する術だけは異様に長けている。

河内とその仲間は、そんな連中ばかりだった。


最近では、警察に目を付けられる機会が多くなり、前のように好き勝手することが出来なくなった。

そのうっ憤を晴らすかの如く、仮想空間へ数人の仲間を引き連れて、前にも増して享楽と暴力に溺れるようになったのだ。