アーロン先生は私の声に気付くと、視線を合わせ笑顔で挨拶を返してくれた。


「こんにちは。君はどこの学科かな?」

「国際コミュニケーション学科の、国際コミュニケーション専攻です」


そう、私は内心のドキドキを出さぬよう、冷静に返事をした。


「よく下の図書室で課題をしてる姿を見かけるよ!真面目で勉強熱心だね」

頭をポンポンしながら告げてきた言葉にびっくりする。


「いえ。ここだと知らないことが出てきた時に調べやすくて、こちらで勉強する癖がついただけですから」


褒められて照れつつも、顔が崩れないように気を付けつつ返事を返す。


「それが、真面目なんですよ。第二外国語は取っていますか?」

「はい、スペイン語を。マリオ教授の授業です」


そう返すと、少し残念そうな顔をするアーロン先生。


「もし、課題で分からないことがあれば聞いてくださいね!大抵お昼時はここに居ますから」


ニッコリと笑顔で言われた事に、驚きつつも気にかけて貰えた事が嬉しくて。

私は笑顔で返事をする。


「はい、ありがとうございます。分からない時は聞きに来ますね!」


私は会話が出来て次に繋がったことに満足して、胸いっぱいのドキドキを抱えつつその場を離れた。