え、いきなりすぎでしょ!?
とか言いつつ内心嬉しい。
だってどうせ蒼空は私を見ない。
あの人は李那のことが好きだから。
一緒にいるからこそ分かるんだよ。
あー、こいつ私に対してなんとも思ってないんだなって。
「分かりました。これ、連絡先…」
お互い携帯で連絡先を登録する。
便利な便利なLINEというアプリで。
「ありがとうございます!いいお返事期待してます!」
正直びっくりしたけどなかなかいい人だな…
んー…返事…どうしよう…
とりあえず李那に相談だな…

「ー…李那ー!頑張れー!」
再び応援席にて。
私は李那の高飛びを見るために戻った。
李那の高飛びは見たことないから。
「…」
李那は私を見て優しく微笑んだ。
そして大きく深呼吸して走り出す。
「…すごい…」
「スゲーな。」
蒼空と感想が同じだというのが気に入らないけど、まあいい。
飛び終わったあと、李那は顔こそ疲れているけど少し微笑んでピースを上にあげた。
“成功”のサインだ。
私は李那のいるテントに向かって走る。
蒼空も後ろからついてくる。
「李那!」
「…えっ、海澪?!」
思った通りだ。
着地の時なんか変な感じだったから来てみれば…
李那の右足は腫れ上がっていた。
「次はリレーだね。」
「ちょっ、それで出る気?!」
「折れてたら病院行くよ。」
…李那は責任感の強い子だ。
特に頼まれたことに対しては真面目にこなしていく。
「…よし、最終頑張ってくる。」
「無理しないでよ?!」
「…分かってるよ…応援しててね。」
「「任せろ!」」
「蒼空には言ってない。」
ピシャリと蒼空に睨みながら言う李那はやっぱり李那だ。
痛々しい右足を引きずりながら李那はグラウンドに向かった。
ちらりと見ると裕くんも既にグラウンドにいた。
心配そうに李那を見るけど李那はガン無視。
…リレーがスタートしてからも李那は足をさすっていた。
裕くんは心配そうに李那を見ている。