ートントン…
「お姉ちゃん、起き上がれた?大丈夫?」
…まあ、たまにこういう可愛いこともある。
「うん、ありがとう美那。起きれたから大丈夫。」
「良かった!じゃあ階段付き添うから早く出てきてよ〜!」
「わかったわかった!」
これが私の毎朝の会話。
他の家よりかなり多いと思う。
家族みんなが私の体を気遣ってくれる。
ありがたいけど、私の虫の居所が悪いとかなりウザったい。
「ーあっ…」
「お姉ちゃん!大丈夫?!」
「…平気、ありがとう…」
「支えるから無理しちゃダメ!」
妹は今小学6年生だ。
地元の陸上部に所属しててかなり体ががっしりしてる。
そして力持ちだ。
たまに落ちると美那が駆けつけてきてくれる。
「…良かった、今日は落ちなかった。」
「ひやひやしましたよお姉様」
「ごめんって…」
私の隣で美那がしかめっ面して目で訴えてくる。
素直に謝っておいた方が身のためだ。
「まあいっか、自慢のお姉ちゃんだもん!」
「いつも思うけど何が自慢なのさ…」
「だって可愛いでしょ?天然でしょ?バカでしょ?アホでしょ?その癖歌上手いでしょ?」
…これって喜んで良いのだろうか…
「…貶されてるようにしか聞こえない…」
「それは心が腐っているからですよお姉ちゃん。」
いや、違うだろ、貶してるんだろ。
「んでんで、お姉ちゃんって元ヤンでしょ?喧嘩強いじゃん!私がいじめられてもシメてくれそうだし。」
「待て待て、私がシメ無くても美那なら自分でやり返すじゃん。」
確かに私は元ヤンだ。
病気発覚してからは喧嘩のケの字もないけど。