アダムとイヴ

認めてしまった気持ちを伝える事もせずに互いを求め合い、甘美に酔いしれる。


偶然が重なり合い、一歩を前進してしまった私達はもう引き返す事などは出来ず、こんなにも愛おしい存在だった事を確認した。


お見合いを蹴り、佐野を選んだ選択が間違えていなかったのだと信じたい。


「…好きだ。今すぐにでも結婚したいなら、俺がしてやる。…だから、他の男の所なんて行くな」


「うん…、そうするつもりだよ」


「お前みたいなS女を貰ってやるんだから、感謝しろよ?…っつぅ、…ちょ、お前っ、夢中になってたから忘れてたけどマジで痛いんだからな、殴るなよ…」


「アドレナリンが分泌されなくなったから殴ったの。S女とは失礼なっ!」


「痛い所を殴るなんて、S女そのものじゃないかよ!…ったく、腕の中に居る時は可愛らしいのに離した途端にこれだよ!」


腕枕をして貰いながらも佐野に憎まれ口を聞いていると、佐野がブツブツと言い始めた。


コレが私達のいつものペース。


ただ、変化したのは・・・。


「大切にするから…」


「……うん」


佐野に甘さが加わり、私が素直になれた事。


本心を知ってしまった私達は、もう元には戻れない。


アダムとイヴの様に───・・・・・・


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