「あ、自転車とってくるからまってて」 「また自転車で来たのかよ、俺は歩きだっていうのに」 「だからちゃんと引いて帰るからいいでしょ」 私はそう言って自転車に鍵を差し込み、回す。 「葵」 名前を呼ばれて振り返ると、目の前は洸の顔でいっぱいだった。 優しいキスが唇に落とされる。 「…不意打ち」 私の声に、洸はいたずらっぽく笑う。 昔から変わらない、洸の笑顔。 「洸」 「ん?」 「大好き!」 これからも、ずっと。 -fin-