朝ごはんを食べてる途中、ふと思うことがあって、目の前の母親に目を向けた。 「…お母さんはさ」 「なに?」 「お兄ちゃんのこと、恨んでないの?」 町の人は、みんな言った。 うちのお兄ちゃんは東京に行って変わってしまった。親不孝者だって。 私も、そう思った。 でも、お母さんとちゃんと話したことはなかったよね? 「…恨んでないよ」 お母さんの顔はとても穏やかで、それ以上なにを聞けばいいのか分からなくなった。 「そっか」 私はいつも通り支度をして、いつも通り家を出る。