聞きなれた声に、私は笑顔を作ることなくそちらを向く。 「うわー、マジで来たんだ」 「そりゃそーよ、呼ばれたんだもん」 女子ソフト部の友達の亜美は、「かわいそ〜」と言いながら顔がニヤついてる。 いつもなら蹴りの一つでもお見舞いするところだが、あいにくそんな元気もない。 「なになに、葵なんかしたの?」