体に当たって流れて行く風はとても心地よいのに、信号で止まるたびに思い出したように汗が吹き出る。 アスファルトに着く足がじりじりと焼かれるような感覚に陥る。 今年の夏は猛暑。そのせいで梅雨がほとんどなかった。 10分ほどして、見慣れた校門が見えてきた。 私はいつも通り駐輪場に自転車を留める。 カゴに入れていた鞄を肩にかけ、重い足を引きずる。 「あーおーいー!」