私が言うと、大王は照れたように笑って、リンドウを私の髪に飾ってくれた。

「アヤ…
どうしてお前は、俺の心を鷲掴みにして
持って行くんだ?
愛しさが募りすぎて、どうしていいか、
分からなくなる。」

そう言って、大王は、私を抱き寄せて口づけをする。

私は大王の背に腕を回して、大王を受け入れる。



きっと誰も信じないだろう。

こんなに仲睦まじい私たちが、まだ結ばれていないなんて…

私が大王を拒み続けて、大王もそれを受け入れてるなんて…

私は正妃なのに…

だけど、そろそろ決断しなくてはいけない。

年が明ければ、大王は22歳になる。

正妃になって1年、私が身籠もらなければ、きっと世継ぎの心配をされてしまう。

未だ大王を受け入れられないのに、大王を失いたくない私は、わがままなの?