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夕餉の後、庭を大王と散歩する。

大王に手を引かれて、草木を眺めながら、のんびりと歩く。

すると、クヌギの木の下に遅咲きのリンドウを見つけた。

大王は私の手を離して、リンドウに手を伸ばしかけて、やめた。

以前、大王がリンドウをくれた時に、ハヤの話をしたから、気にしてる?

大王は、改めて私の手を取って、先に行こうとする。

私は足を止めたまま、言った。

「大王… 」

「ん?」

「お願いがあります。」

「なんだ?」

「リンドウを私にくださいませんか?」

大王は私を見つめたまま、動かない。

「リンドウは、大王が私に初めてくださった
思い出の花です。
今日も大王からリンドウをいただけたら、
嬉しいです。」