・:*:・:・:・:*:・
夕暮れと共に東の空に大きく紅(くれない)に染まった満月が昇る。
私は大王の隣に腰掛ける。
海の向こうの西国から届けられたこの椅子という物。
使えるのは、大王と私だけ。
大王は本当に私を正妃にしてしまわれた。
先程、大王が
「ここにいるアヤを正妃とする。」
と宣言された時、騒めきが起こった。
それは、決して祝福などではなかった。
驚きと落胆と恨み、嫉み…
様々な負の感情が私だけではなく、大王にも向かう。
それでも、私は顔を上げ続けた。
大王が私のためにしてくれた決断。
だったら、私は私に出来る事をしよう。
大王の正妃として認められるよう、気品溢れる振る舞いをしよう。
この艶やかな黄色の衣に負けないように。
夕暮れと共に東の空に大きく紅(くれない)に染まった満月が昇る。
私は大王の隣に腰掛ける。
海の向こうの西国から届けられたこの椅子という物。
使えるのは、大王と私だけ。
大王は本当に私を正妃にしてしまわれた。
先程、大王が
「ここにいるアヤを正妃とする。」
と宣言された時、騒めきが起こった。
それは、決して祝福などではなかった。
驚きと落胆と恨み、嫉み…
様々な負の感情が私だけではなく、大王にも向かう。
それでも、私は顔を上げ続けた。
大王が私のためにしてくれた決断。
だったら、私は私に出来る事をしよう。
大王の正妃として認められるよう、気品溢れる振る舞いをしよう。
この艶やかな黄色の衣に負けないように。



