「今日は、素晴らしい贈り物をありがとう
ございました。」

まずはお礼を言うと、

「お前が1番喜ぶ物を…と思ったのだが、
喜んでくれたか?」

大王は嬉しそうに微笑む。

「はい。とても。」

「それは良かった。
早くそなたの織った美しい絹に身を包んだ
そなた自身を見たいものだ。」

大王は満足げに頷く。

「その事でお願いがございます。」

「ん? 何だ?」

大王は訝しげにこちらを見た。

「あの絹を私に仕立てさせて
いただけませんか?」

「仕立てを?
アヤは仕立てもできるのか?」


「いえ、できません。
ですから、教えていただきたいんです。
ここにいても日がな一日何もする事が
ありません。
本当は機織りをしたいのですが、それが
叶わぬのは分かっております。
ですから、今日来た針子に仕立てを習って、
自分で仕立ててみたいのです。」

私は誠心誠意お願いをする。