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半月後。

戦が終わったと早馬が来た。

きっとまもなく大王は戻られるはず。

しかし、大王を心待ちにする私のもとに、思いがけない知らせが届いた。

「大王は流行り風邪を患われて、高熱を出して
動けないので、お戻りにはもうしばらく
お時間がかかるそうです。」

「そんな…」

私は、遣いの者が下がると、居ても立っても居られず、ハヤを呼んだ。

「ハヤ、吉備へ行きたいの。
連れてって。」

私が言うと、ハヤは困ったように眉をひそめた。

「吉備までは、馬でも何日もかかります。
そんな所へは、危なくてお妃様をお連れ
できません。」

「それでも行きたいの。
ハヤがダメなら、他の人を探さなければ
ならないわ。
お願い、ハヤ。」