「わかったわかった、言い方変えるよ。...ゴホン。俺と、結婚して下さい」

ビンタしそうになり、腕が上がった。

「あ、うっかり本音が」

パーがグーになる。

「ははははっ。ちょ、待って」


私の反応を見て、楽しんでいるようだった。

「真面目に言って下さい」

睨み付けた私に、少しでも危機感を持ったのか、若干の笑みを含ませながら、言う。

「狼族の奴らと、俺と、亞嶬で、闘わせて下さい」




びっくりした。

ものすごい、綺麗な顔で言うから。


なんだか、甘ったるい動悸が...。


「...今回だけ、手を貸してあげます......」

傍から見れば、折れてあげたと思われるような言い方だったと思う。
でも、彼は、

「ありがと」

目を細めて、妖艶に笑う。