幸せの種


待ちに待った夏休みが始まり、わたしと琉君は必死に宿題をやっつけた。

外泊するためには、すべての宿題を終わらせなくてはならないという約束があったから。

八月初旬に外泊が予定されているわたし達は、ほかの帰省を予定している子達よりずっと早く宿題を終わらせなくてはならなかった。

ほかの子は、ほとんとお盆休みに合わせて帰省しているから。


得意な教科はひとりでさっさと終わらせて、苦手な国語は穂香先生を見つけては質問して何とか終わらせた。

苦手な読書感想文も何とか頑張った。


「千花、宿題終わったか?」


学習室で顔を合わせるごとに、琉君がわたしに問いかける。


「うん。今日ようやくできた!」

「よし、これで行けるな!」


琉君はとっくに宿題を終わらせて、受験勉強に専念しているという。

わたしと違い、琉君はとても頭がいい。

ちしま学園始まって以来、なんて言われるほど勉強ができる。

学年でも常に三位以内の成績で、市内で一番の進学校を受験すると言っていた。