幸せの種


琉君のいない登下校は寂しい。

わたしは相変わらず女子の集団になじめず、空気になろうと必死だった。


今まで七年もの間、一緒だった人が突然いなくなってしまった。

正直なところ、穂香先生が産休でいなくなった時より辛い。


だけど、それを表に出さないようにしていた。

琉君がいなくなってからも、ひとりで学習室にこもって勉強をする。


きっと今頃、さくらハウスでは琉君が勉強しているはず。

そう思ったら、苦手な国語にも張り合いが出てきた。


こうして、あっという間に時間が過ぎた。

初雪が降る頃になり、ミーナちゃんが学園に戻ってきた。


しばらくの間、会わないでいたせいだろうか。

少し雰囲気が変わったような気がした。


元々気が強い、目のきりりとした美人だったけれど、そのきつさがますます強くなったように見える。


ミーナちゃんが戻ってきて、学園の女子の雰囲気まで一気に変わってしまった。