幸せの種


わたし達の帰省が終わり、学園に戻ってきたちょうどその時、ミーナちゃんも山本先生の車に乗せられて戻ってきた。

わたしと琉君が髙橋先生の車から降りたら、ミーナちゃんが叫んだ。


「あんた達、マジむかつく。いいこぶって先生の家に行ってさ」


凍りつくような眼でじろりと睨まれ、わたしは思わず髙橋先生の影に隠れた。


「何なの? 文句あるなら言え、このバカ」

「ミーナ、どうした? ちーちゃんも琉輝も何もしてないぞ」

「見てるだけで苛つくんだよ! さっさとあっち行け! 行かないとぶっ殺す」


ミーナちゃんがイライラしているのはいつものことだけれど、今日は特にひどいと思った。

脱走して、連れ戻される間に何があったんだろうか。

山本先生に手を引かれ、学園の玄関に入ったミーナちゃんは、まだぶつぶつと文句を言っていた。


「髙橋先生、ミーナ、大丈夫?」


普段より苛ついているミーナちゃんを見て、琉君も心配そうに聞いている。


「大丈夫、とは言えないな。ちょっと、様子をみてみよう。まずは学園に君たちの引継ぎをしてからな」


ミーナちゃんが玄関を出たのを見計らって、わたし達も学園の中に入った。