夜中にそんな話をしていたことを、全く表に出さないまま、二泊三日の『帰省』が終わった。
できるだけ、普通の家と同じようにしてくれようと考えた髙橋先生と穂香先生は、二日目にドライブに連れて行ってくれた。
見頃を迎えた富良野のラベンダー畑で『家族写真』を撮り、おちびちゃん達はあんこの入ったパン型ヒーローのお店で大はしゃぎ。
廃校になった学校を利用した美術館で、綺麗な万華鏡やオルゴールを触り、体育館を駆け回って遊ぶ。
ラベンダーソフトクリームをまほちゃんとシェアしながら食べて、いっぱい笑った。
溶けて滴が落ちそうになっているところを、横から琉君に食べられて、わたしとまほちゃんが文句を言って。
そんな様子をビデオに撮影している髙橋先生と、ひなた君を抱っこして腰が痛いと嘆く穂香先生。
こんなに幸せな休日は、初めてだった。
そして、このメンバーで『帰省』できるのも、おそらく最初で最後だということを自覚して、胸が痛くなった。
幸せを知り、それがもう手に入らないことも知るって、なんて残酷なんだろう。
それでもわたしは笑った。
今、この瞬間を楽しもう。そうしないと髙橋先生と穂香先生の好意が無駄になってしまうと思って。



